ホウレンソウ ほうれんそう 菠薐草

ホウレンソウの概要

名前 ホウレンソウ
漢字 菠薐草

ホウレンソウは冬を代表する野菜で、寒さに強いため日本で広く食べられています。

ホウレンソウには大別して東洋種(日本ホウレンソウ)と西洋種(西洋ホウレンソウ)があります。
東洋種は葉の切れ込みが大きく葉肉が薄く、アクが少なく甘みが強いのが特徴で、冷涼な気候を好むため冬に栽培されます。
西洋種は葉の切れ込みが浅く葉肉が厚く、アクが強く甘みが少ないですが、暑さに強いため春~秋でも栽培されます。
栽培は西洋種の方が容易ですが、味は東洋種の方が優れています。
ただ、実際に流通する殆どはこれらを交配させた品種(中間種)で、両種の特徴を持つため葉の切れ込みが深いから東洋種とは言えません。

また、ホウレンソウはコマツナとよく比べられ、アクがないため使い勝手はコマツナの方が優れていますが、ホウレンソウは葉が柔らかく甘みが強い点で優れています。

選び方のポイント

冬は甘みが強い東洋種(葉の切れ込みが深い品種)を選ぶようにします。
冬には縮みホウレンソウも出てきますが、縮んでいない日本ホウレンソウの方が甘みが強く味は優れているようです。
冬以外は東洋種は流通しないので、西洋種や交配種を選びます。

他の選び方として、お浸し等にする場合は東洋種、炒め物等にする場合は形が崩れにくい西洋種を選びます。

生食する場合は水耕栽培されて生食用として売られている品種を選びます。
アクの少ない品種であり、水耕栽培により後述する窒素残留が少なく安全です。
日本ホウレンソウもアクが少ないのですが、安全性の面で劣ります。

食べ方・調理のポイント

ホウレンソウはアク(シュウ酸)が多いため、基本的には茹でて利用します。
特に西洋種はアクが強いため必ず茹でるようにします。

根を付けたまま先に茎をゆで、その後に茎と葉を一緒に茹でます。
ただし、火が通りやすいためゆで時間は茎を30秒、葉を10秒程度に留めます。
ゆでた後は冷水に落として色止めすると緑色が綺麗に残りますが、色を気にしなければ必要ありません。

その後に軽く絞って水気を切り、食べやすい大きさに包丁で切ります。

生食用のホウレンソウであれば生のままサラダ等に利用できます。

保存のポイント

保存場所 冷蔵庫(野菜室)
保存日数(目安) 3日程度

水を含ませたポリ袋等に入れて乾燥を防ぎ、冷蔵庫(野菜室)に立てて保存します。

冷凍保存(生で食べる)

近年では冷凍保存で食べる方法が考案されています。

まずは、食べる大きさに切って生のまま冷凍します。
次に、解凍してから軽く水洗いし、絞って水気を取ります。
この状態で茹でずにそのまま食べます。

冷凍することで水分が膨張して細胞壁が壊れ、茹でた場合と似た状態になります。
この方法であれば、加熱による栄養の損失も抑えられます。

ホウレンソウは加熱による栄養の損失が特に大きい野菜であるため、是非試してみたい方法です。