カブ かぶ 蕪

カブの概要

名前 カブ
漢字
別名(例) 蕪菜(カブナ)
カブラ
鈴菜・菘(スズナ)

カブは古くから親しまれてきた野菜の一つで、肥大化した球形の胚軸(根)や葉を食べます。
本当の根は胚軸の下に伸びたひげ状の部位で、こちらは食べずに捨ててしまいます。

形が鈴に似ていることから「鈴菜・菘(すずな)」とも呼ばれ、春の七草に数えられています。

ヨーロッパ系品種と、アジア系品種の2系統があり、寒さに強いヨーロッパ系品種は東日本で、アジア系品種は西日本で栽培されることが多いようです。

全国に80種にも及ぶ色・形・味の品種があり、長い年月が地域毎に固有の品種をもたらしたと考えられます。
また、地域によって色々な呼び方があります。

現在では「小カブ」が最も多く流通しています。
胚軸(根)は淡泊ですが根菜特有の臭みが少なく甘みがあります。
カブの葉はダイコンの葉と違って味にクセがなく、柔らかく食べやすいです。

選び方のポイント

カブの葉は柔らかくて美味しいので、できれば葉つきを選ぶと食べる部分が多くてお得です。
葉つきのものと、球形の胚軸(根)だけのもので価格はあまり変わらないようです。

食べ方・調理のポイント

カブはタワシでしっかりと洗ってから使用します。

カブの胚軸(根)はすぐに火が通って荷崩れを起こすので加熱時間を短めにします。
皮にも栄養があり、煮崩れしやすいので皮ごと調理します。
生で食べても美味しいですが、辛みが強い品種があります。

大根おろしと同様に、カブおろしも美味しいです。
ダイコンに比べて水分が少ないので水っぽくならず、カブおろしの方が美味しいかもしれません。

カブの葉は柔らかくクセもないため、お浸しにしても炒めても美味しく食べられます。

保存のポイント

保存場所 冷蔵庫(野菜室)
保存日数(目安) 胚軸(根):4日程度
葉:2日程度

葉つきの場合は葉から水分が奪われるので胚軸(根)と葉を切り離します。
胚軸(根)と葉は別々にポリ袋等に入れて乾燥を防ぎ、冷蔵庫(野菜室)に保存します。

七草粥(ななくさがゆ)

昔から日本では万病を防ぐとして「人日の節句」である1月7日に「七草粥」を食べる習慣があります。

しかし、人日の節句は本来は旧暦の1月7日であり、新暦(現代)では2月15日になります。
このため、現代の食べ方では天然物を含めて考えれば旬から外れているものがあります。

春の七草は以下の通りです。
左側が昔の呼び方で、右側が現在の呼び方です。

  • 御形(ゴギョウ) / 母子草(ハハコグサ)
  • 蘿蔔・清白(スズシロ) / 大根(ダイコン)
  • 菘(スズナ) / 蕪(カブ)
  • 芹(セリ)
  • 薺(ナズナ) / ペンペン草
  • 繁縷(ハコベラ) / 蘩蔞(ハコベ)
  • 仏の座(ホトケノザ) / 小鬼田平子(コオニタビラコ)

なお、単純に「七草」と呼ぶと「秋の七草」を意味し、観賞用として昔から短歌や俳句で用いられてきました。