ジネンジョ じねんじょ 自然薯
ジネンジョの概要
名前 | ジネンジョ |
漢字 | 自然薯 |
ジネンジョはヤマノイモの一種で、肥大化した根を食べます。
「自然薯(じねんじょ)」は名前の通り日本各地の山野に自生しており、長いものは1mにもなり成長に5~10年以上を要します。
同じ芋が毎年成長するのではなく、新しい芋が大きい芋から毎年生え変わり、その都度親芋の栄養も吸収して前年より大きく成長します。
天然物はヤマノイモの中でもヌメリや香りが強く味が濃いですがほとんど流通していません。
近年は栽培方法が確立され、1~3年程度で収穫できる栽培物が広く流通しています。
栽培物は1年で1mにも成長させることができますがネバリも味も程々で、年数が経つにつれ味が良くなります。
また、栽培物はパイプの中で真っ直ぐに成長させるので形が良くなります。
細長い棒型が一般的ですが、塊になる「短形自然薯」と呼ばれるタイプが皮を剥くのが面倒ですが安く購入できます。
選び方のポイント
天然物は味が強いですがアクも強いので黒く変色しやすく、栽培物を選ぶ方が無難です。
棒型は真っ直ぐで太く長いもの程高額です。
一般家庭ではそれほどの量を必要としないので、曲がってるものや短いものを選ぶと安く購入できます。
短形自然薯も安く購入できますが、皮を剥く場合は剥きにくいので注意が必要です。
食べ方・調理のポイント
ヒゲ根はコンロ等で火で焼いて取り除きます(多少残っても構いません)。
ジネンジョは皮が薄く皮に風味があるため皮ごと食べます。
芋には珍しく生で食べられ、トロロにする場合はヌメリが強いので出汁等で伸ばすと良いでしょう。
なお、芋に含まれるシュウ酸カルシウムは皮膚に触れると痒くなり、かぶれることもあります。
ジネンジョは特に痒みが強いので、ゴム手袋をするか酢水を手に付けながら作業することをお勧めします。
保存のポイント
保存場所 |
丸ごと:冷蔵庫(チルド)、又は冷蔵庫 カット:冷蔵庫(野菜室) |
保存日数(目安) |
丸ごと:1ヶ月程度 カット:1週間程度 |
丸ごとの場合はポリ袋等に入れて冷蔵庫(チルド)に保存します。冷蔵庫(チルド)がない場合は冷蔵庫に保存します。
カットされたものは冷蔵庫(野菜室)に保存します。
丸ごとの場合は1~3℃で休眠状態で保存できるので、長期保存したい場合は冷蔵庫(チルド)に保存すると良いでしょう。
ヤマノイモの種類と呼び名
ヤマノイモは大きく三つの種に分かれます。
- 自然薯(じねんじょ)
- 長芋(ながいも)
- 大薯(だいじょ)
ジネンジョは日本の在来品種で、ナガイモは中国が原産の異なる品種です。
ナガイモは更に三つの品種群に分かれます。
- ナガイモ群
- イチョウイモ群(ヤマトイモ)
- ヤマトイモ群(ツクネイモ)
「イチョウイモ」と呼ぶ場合は「ナガイモ/イチョウイモ群」を指します。
また、ヤマトイモとイチョウイモは呼び方が地域によって異なり混同されています。
ヤマノイモのことを山芋(ヤマイモ)と呼ぶことがあり、明確な定義はないようです。
ただ、次のように使い分けることがあります。
- 栽培物をヤマイモ、天然物をヤマノイモ
- ナガイモ(ナガイモ群、イチョウイモ群、ヤマトイモ群)をヤマイモ、ジネンジョをヤマノイモ
ちなみに、ダイジョも九州の一部地域でツクネイモと呼びます。
ややこしいですね。
ジネンジョの旬
ジネンジョは10月下旬から流通し始めますが、どちらかと言うと試し掘りや、完熟すると傷みやすくなるために早掘りしたものとなります。
本格的には11月中旬以降が旬となります。
天然物は遅くても1月頃までですが、栽培物は2月頃まで収穫されています。
食材 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | ||||||||||||||||||||||||||
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ジネンジョ |
ジネンジョの栄養
ジネンジョはヤマイモの中では最も栄養価が高くなっています。
ビタミンE、カリウム、銅、水溶性と不溶性の食物繊維を多く含んでいます。
特にビタミンEは芋の中で最も多く含んでおり、他の芋と比べて突出しています。
なお、ヤマイモは他の芋と違って生で食べられるので加熱による栄養価の損失を少なくできます。
皮にも栄養があるので、できれば皮ごと食べると良いでしょう。
また、成分値には表れていませんが、ヌメリ成分である「ムチン」はタンパク質の吸収を高め、疲労回復効果があると言われています。
食材名 | ジネンジョ/生 |
年齢 | |
性別 |
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可食部重量(g) | |
重さの種類 |
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項目 | 成分値 | 接種基準(割合) | ||
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エネルギー |
|
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タンパク質 |
-
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|||
脂 質 |
脂質 |
-
|
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脂 肪 酸 |
飽和 |
-
|
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一価不飽和 | - | |||
多価不飽和 |
-
|
|||
多価不飽和(n-3) |
-
|
|||
多価不飽和(n-6) |
-
|
|||
コレステロール | - | |||
炭 水 化 物 |
炭水化物 |
-
|
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食 物 繊 維 |
水溶性 |
-
|
||
不溶性 |
-
|
|||
総量 |
-
|
項目 | 成分値 | 接種基準(割合) | ||
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脂 溶 性 |
ビタミンA (レチノール活性当量) |
-
|
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ビタミンD |
-
|
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ビタミンE (α-トコフェロール) |
-
|
|
||
ビタミンK |
-
|
|
||
水 溶 性 |
ビタミンB1 |
-
|
|
|
ビタミンB2 |
-
|
|
||
ナイアシン | - | |||
ナイアシン当量 |
-
|
|
||
ビタミンB6 |
-
|
|
||
ビタミンB12 |
-
|
|
||
葉酸 |
-
|
|
||
パントテン酸 |
-
|
|
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ビオチン |
-
|
|
||
ビタミンC |
-
|
|
- 一定の比率・計算式等で生成した値を含む
- 食材名は出典から変更している場合があります
- 目標量
- 生活習慣病の予防のために現在の日本人が当面の目標とすべき摂取量。
- 推奨量
- ほとんどの人が充足している量。
- 目安量
-
十分な科学的根拠が得られず、推定平均必要量と推奨量が設定できない場合に設定した値。
一定の栄養状態を維持するのに十分な量であり、目安量以上を摂取している場合は不足のリスクはほとんどない。 - 推定平均必要量
-
半数の人が必要量を満たす量。
本サイトでは未使用。 - 耐容上限量
- 健康障害をもたらすリスクがないとみなされる習慣的な摂取量の上限。
- -(ハイフン)
- 未測定。
- 0(ゼロ)
-
食品成分表の最小記載量の1/10(ヨウ素、セレン、クロム及びモリブデンにあっては3/10、ビオチンにあっては4/10。以下同じ)未満又は検出されなかったことを示す。
食塩相当量の0は算出値が最小記載量(0.1g)の5/10未満であることを示す。 - Tr(微量、トレース)
-
最小記載量の1/10以上含まれているが5/10未満であることを示す。
- ( )カッコつきの数字
-
諸外国の食品成分表の収載値や原材料配合割合レシピ等を基に推計した場合を示す。
出典:日本人の食事摂取基準 2020年
ジネンジョの産地
産地情報はヤマノイモ全体を示しています。
ジネンジョ単体の産地情報はありません。
食材名 | ヤマノイモ |
- 食材名は出典から変更している場合があります
- 出典で「…」「×」「不明」「nc」「-」「---」等とされているものは0(ゼロ)と表示しています
農薬・窒素成分の影響
農薬影響 | 小 |
窒素影響 | 中 |
有機栽培 (オーガニック) を推奨するか |
有機推奨 |
芋は地下で育つため農薬の心配は少ないです。
窒素残留のヤマトイモは東京都のデータなのでイチョウイモのことだと思われます。
窒素肥料の散布量を考えると栽培物のジネンジョも同様に残留が多いと考えられます。
200g程度で許容摂取量に達してしまいますが、出汁で伸ばして食べることが多いので窒素影響は「中」としますが、有機栽培(オーガニック)等でない限り大量には食べない方が良いでしょう。
天然物の場合は何の心配もありません。
- ヤマノイモの慣行レベルでジネンジョを栽培している都道府県もあります。
農薬・窒素成分の使用量(慣行レベル)
食材 | 化学合成農薬 平均成分回数 |
化学肥料 平均窒素成分 (kg/10a) |
集計範囲 |
---|---|---|---|
ジネンジョ | 11.8 | 26.1 | 10都道府県 |
ヤマノイモ | 13.5 | 30.8 | 19都道府県 |
- 季節や作型等の値を平均しています
- 食材名は出典から変更している場合があります
- 成分回数
- 化学合成農薬の成分毎の回数。(例:除草剤1種・殺虫剤2種を散布⇒成分回数3回)