トマト

トマトの概要

名前 トマト
別名(例) 赤茄子(アカナス)
唐柿(トウシ)

トマトは南アメリカのアンデス山脈高原地帯が原産の野菜で、赤くて丸い果実を食べます。
元々はミニトマトくらいの大きさの多年草で、実には毒があるため食べられないものもありました。
しかし、現在では品種改良により世界中で何千種類もある程まで広く普及しています。

トマトはイタリア系、イギリス系、アメリカ系品種に大別されます。
日本では主としてアメリカ系品種が栽培されており、大きいトマトは桃色系の品種が多く、ミニトマトは赤色系の品種が多くなっています。

一般的に生食用のトマトは未熟な状態で収穫し、移送中に赤くしているので甘さや栄養価は完熟した状態で収穫したものに比べると少なくなる傾向があります。
逆に、加工用のトマトは完熟してから収穫するためケチャップ等の加工品の方が栄養面で優れていることがあります。

選び方のポイント

甘いトマト

トマトの味は甘さ・旨み・酸味で決まります。

トマトの甘さは栽培方法と収穫時の完熟度で決まります。
トマトは日本の高温多湿には向いておらず、夏に収穫されるトマトは甘さが少ない傾向があります。夏のトマトを選ぶのであれば、北海道産が甘い傾向があります。
また、トマトの甘さはトマトを収穫した時点で決まるため、ヘタが萎れている未熟な状態で収穫して追熟したものは甘さが少ないため、ヘタがピンとした熟してから収穫したものを選びます。
フルーツトマトや塩トマトと呼ばれる高糖度トマトは裏側に星のような線が入っており、これが長いものが甘いトマトです。

旨みと酸味は完熟度で決まり、赤く熟したトマトの方が旨みが強く、色が薄い程酸味が強くなります。
旨みが少ないトマトは甘くても美味しくないため、生食の場合は赤いトマトを選びます。

食べ方・調理のポイント

トマトは農薬の使用が多い野菜なので、表面をしっかりこすり洗いします。

トマトを包丁で切るのは意外と難しく、包丁がうまく入っらずに崩れてしまうことがあります。
切れ味の良い包丁を使う方法もありますが、包丁の先端等で皮に少し切れ込みを入れてから切ると綺麗に切れます。
また、トマトの裏側に線が見える場合は、線のない場所を切ると種周りの柔らかい部分を避けられ身が崩れにくくなります。

トマトの皮は固いので生食の場合は皮が舌に触ると感じる場合があります。
沸騰したお湯に10~20秒程度浸けることで簡単に皮が剥けるようになり、舌触りが滑らかになります。
ただ、食感がグニュっとして美味しくないと感じる人もいるので好みが分かれます。

トマトは生で食べても美味しいですが、ピューレ状にして料理に利用することも多い野菜です。
ただ、生食用のトマトは未成熟な状態で収穫するため甘みや旨みが少なく、加熱調理には缶詰等の完熟したトマトの方が向いています。

保存のポイント

保存場所 冷蔵庫(野菜室)
保存日数(目安) 1週間程度

ポリ袋等に入れて乾燥を防ぎ、冷蔵庫(野菜室)に保存します。

青い状態の熟していないトマトは常温(冷暗所)で数日置いておくと赤くなるので、その後に冷蔵庫(野菜室)で保存します。
冷蔵庫に入れると低温障害を起こします。

トマトの栽培方法と甘さ

トマトは夏の野菜のイメージがありますが、原産地のアンデス山脈高原地帯のように乾燥した栄養の少ない状態での栽培に向いています。
雨が多すぎると果実が割れてしまい商品になりません。

トマトは水分が少ない状態では果実を甘くすることで浸透圧を高くし、吸水率を上げようとします。
この性質を利用し、水分が少ない状態で栽培して甘くしたトマトがフルーツトマトや塩トマトと呼ばれています。
一般的なトマトの糖度は5~6度で、高糖度トマトは8~12度にもなります。
また、夏~秋にかけて日本では雨が多いた糖度が下がります。

フルーツトマトは水やりや肥料を極限まで少なくするために雨除けのハウスの中で栽培します。
塩トマトは塩分を含んだ農地で栽培することで、浸透圧が高い塩水を吸い上げることが難しくなるため水分が不足し、トマトの糖度が高くなります。

ただ、高糖度トマトは皮が固くなることや、完熟度が低いと旨みが少ないことは通常のトマトと同じため、甘ければ必ずしも美味しいとは限りません。
また、どちらの方法も栽培に手間がかり農地も限られるため、一般的なトマトに比べて価格が高くなります。