フキ ふき 蕗
フキの概要
名前 | フキ |
漢字 | 蕗 |
フキは古くから日本で親しまれてきた野菜で、主に茎(葉柄)と葉、花茎(蕾)を食べます。
ただ、単にフキと呼ぶ場合は茎(葉柄)を指し、花茎(蕾)はフキノトウと呼びます。
一般的には栽培物の品種で「愛知早生」が流通していますが、天然物は山蕗(やまぶき)や野蕗(のぶき)の名前で流通します。
フキにはアクがあるためアク抜きが必要ですが、味が染み込みやすく爽やかな味が好まれています。
選び方のポイント
フキは古くなるとアクが強くなるため、萎びていないなるべく新鮮なものを選びます。
また、皮を剥くのが面倒な場合は、栽培物の茎が太いものを選びます。
あまり太すぎるとスジが硬いので、直径が2cm程度までのものを選ぶと良いでしょう(秋田蕗(あきたふき)等の茎が太い品種は除く)。
山蕗(やまぶき)や野蕗(のぶき)は茎が細いですが、その中でもなるべく太いものを選びます。
食べ方・調理のポイント
フキにはアクがあるため生では食べられず、アク抜き後に調理します。
アク抜きの方法ですが、塩で板ずりした後、たっぷりの沸騰したお湯で太さに応じて3~5分程度茹でて冷水で冷ましてから皮を剥きます。
茹でる際に細かく切ってしまうと皮むきが大変なので、なるべく長いまま茹でるようにします。
フキは味が染み込みやすいためお浸しや煮物にすることが多いですが、トータルの加熱時間は5分程度に留め、冷めた煮汁に浸けて味を染み込ませます。
保存のポイント
保存場所 |
生のまま:保存できません 茹でた後:冷蔵庫 |
保存日数(目安) |
生のまま:保存できません 茹でた後:2~3日程度 |
フキは収穫してから時間が経過するとアクが強くなります。
そのため生のままの保存には向かず、購入後はすぐにアク抜き(下茹で)が必要です。
茹でて皮を剥いた後は瓶やタッパ等に水に浸して冷蔵庫で保存します。
フキのアク抜き
フキにはアクがあるため、アク抜き(下茹で)が必要です。
その際、大きい鍋に入る大きさに切るようにすると皮を剥く回数が減らせて楽になります。
- 大きな鍋に入る大きさにフキを切る
- スプーンで山盛り1杯の塩で板擦りする(色が鮮やかになる)
- 沸騰した鍋で3~5分程度茹でる(太い部分は5分、細い部分は3分)
- 冷水にとり色止めする
- 粗熱が取れたら水に浸けたまま爪等を使って皮をむく(むき残しを避けるために両側から皮をむく)
- 水に30分程度浸けてアクを抜く(野蕗・山蕗はアクが強いので一晩置く)
なお、栽培物の太いフキはアクが少なく皮が剥きやすいため、鍋に入る大きさに切る前に先に皮を剥いた方が楽です。
生のまま皮を剥く場合は包丁を角にひっかけて太い方から細い方に向かって皮を剥き、爪等は使わないようにします。
また、塩の板擦りも必要ありません。
フキの旬
天然物や露地栽培のフキの旬は春です。
栽培物は施設栽培を含めると10~5月頃まで多く流通しています。
食材 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | ||||||||||||||||||||||||||
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フキ |
フキの栄養
フキの茎(葉柄)の栄養成分です。葉は含まれていません。
フキは水分が多いこともあり栄養価はとても低く、強いて言えばミネラルのカリウム、マンガン、モリブデンを少し多く含んでいます。
ただ、フキの苦み成分であるポリフェノールの一種であるフキノール酸やクロロゲン酸は抗酸化作用や花粉症への効果が期待されています。
食材を選択 | |
年齢 | |
性別 |
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可食部重量(g) | |
重さの種類 |
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項目 | 成分値 | 接種基準(割合) | ||
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エネルギー |
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タンパク質 |
-
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脂 質 |
脂質 |
-
|
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脂 肪 酸 |
飽和 |
-
|
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一価不飽和 | - | |||
多価不飽和 |
-
|
|||
多価不飽和(n-3) |
-
|
|||
多価不飽和(n-6) |
-
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|||
コレステロール | - | |||
炭 水 化 物 |
炭水化物 |
-
|
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食 物 繊 維 |
水溶性 |
-
|
||
不溶性 |
-
|
|||
総量 |
-
|
項目 | 成分値 | 接種基準(割合) | ||
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脂 溶 性 |
ビタミンA (レチノール活性当量) |
-
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ビタミンD |
-
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ビタミンE (α-トコフェロール) |
-
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|
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ビタミンK |
-
|
|
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水 溶 性 |
ビタミンB1 |
-
|
|
|
ビタミンB2 |
-
|
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||
ナイアシン | - | |||
ナイアシン当量 |
-
|
|
||
ビタミンB6 |
-
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ビタミンB12 |
-
|
|
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葉酸 |
-
|
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パントテン酸 |
-
|
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ビオチン |
-
|
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ビタミンC |
-
|
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- 一定の比率・計算式等で生成した値を含む
- 食材名は出典から変更している場合があります
- 目標量
- 生活習慣病の予防のために現在の日本人が当面の目標とすべき摂取量。
- 推奨量
- ほとんどの人が充足している量。
- 目安量
-
十分な科学的根拠が得られず、推定平均必要量と推奨量が設定できない場合に設定した値。
一定の栄養状態を維持するのに十分な量であり、目安量以上を摂取している場合は不足のリスクはほとんどない。 - 推定平均必要量
-
半数の人が必要量を満たす量。
本サイトでは未使用。 - 耐容上限量
- 健康障害をもたらすリスクがないとみなされる習慣的な摂取量の上限。
- -(ハイフン)
- 未測定。
- 0(ゼロ)
-
食品成分表の最小記載量の1/10(ヨウ素、セレン、クロム及びモリブデンにあっては3/10、ビオチンにあっては4/10。以下同じ)未満又は検出されなかったことを示す。
食塩相当量の0は算出値が最小記載量(0.1g)の5/10未満であることを示す。 - Tr(微量、トレース)
-
最小記載量の1/10以上含まれているが5/10未満であることを示す。
- ( )カッコつきの数字
-
諸外国の食品成分表の収載値や原材料配合割合レシピ等を基に推計した場合を示す。
出典:日本人の食事摂取基準 2020年
フキの産地
フキは栽培物だけでなく、天然物も多く流通しています。
天然物は北海道が多く、栽培物は愛知早生の発祥の地だけあり愛知県で多く栽培されています。
食材を選択 |
- 食材名は出典から変更している場合があります
- 出典で「…」「×」「不明」「nc」「-」「---」等とされているものは0(ゼロ)と表示しています
農薬・窒素成分の影響
農薬影響 | 中 |
窒素影響 | 中 |
有機栽培 (オーガニック) を推奨するか |
不要 |
フキは農薬の使用が少し多く、窒素肥料をかなり多く使用しています。
ただ、生の場合は窒素残留が多のですが、「ゆで」ることで大幅に低減されています。
フキはアク抜きで必ず下茹でするため、窒素影響は少ないとすると語弊があるため「中」とし、有機栽培(オーガニック)は不要としました。
なお、天然物も多く流通するため、山蕗(やまぶき)であれば心配はありません。
農薬・窒素成分の使用量(慣行レベル)
食材 | 化学合成農薬 平均成分回数 |
化学肥料 平均窒素成分 (kg/10a) |
集計範囲 |
---|---|---|---|
フキ | 12.7 | 47.2 | 10都道府県 |
- 季節や作型等の値を平均しています
- 食材名は出典から変更している場合があります
- 成分回数
- 化学合成農薬の成分毎の回数。(例:除草剤1種・殺虫剤2種を散布⇒成分回数3回)
窒素成分の残留値
体重(kg) |
食材 | 出典 | 窒素残留 (mg/100g) |
窒素許容量 (mg/日) |
食材許容量 (g/日) |
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フキ/生 | 日本食品標準成分表(八訂) 2020年 | 200 | ||
フキ/ゆで | 日本食品標準成分表(八訂) 2020年 | Tr |
- WHOが定める1日の許容摂取量(ADI)は体重1㎏に対して3.7mg
- 0は10mg/100g未満を意味します
- Trや(Tr)は10~50mg/100gを意味し、最大値の50mg/100gとして計算しています
- 窒素残留は単位をmg/100gに統一しているため出典と値が異なります
- 食材名は出典から変更している場合があります
- 葉物は茹でる等で最大で半分程度に低減できると言われています